あぁ、もう、頭の中がぐしゃぐしゃする。
辛い、悔しい、痛い、悲しい、憎い、苦しい、嫌い、そんな負の感情ばかりが集まって、混ざって、ドロドロと体中の隅々まで這いずる感じ。
誰も悪くない。
誰かが悪いなら、それは私だ。
それなのに。
それなのに。
私が悪いと解っているのに、微かに、でも確かに“私は悪くない”と思っている自分がいて。
それがどうしても嫌で、許せなくて、醜くて、認めたくなくて。
そんな感情と思考が自分にはどうすることも出来ないくらいにぐちゃぐちゃと頭を染めていく。

ふと、制服の中にソレがあることに気付いた。
馬鹿なことをしてるなぁって思いながらも、止める気には・・・ならなかった。

ジャリ、ジャリ、と耳の近くで音が響く。
バラバラと足元に落ちていく髪の毛が視界に入ると、どうしようもなく可笑しくて仕方なかった。

「ふ、ふふ・・・ハハッ、あはは、・・・くくっ」

楽しいことなんて一つもないのに、笑わずにはいられなかった。
自分で自分をコントロール出来ないって今みたいな状態を言うのかな。

「よぉ」
「・・・・・・さぶろ」

嫌なところを見られた。
今更どう取り繕っても、この変に察しの良い男にはすぐ分かってしまう。
・・・まぁ、この状況じゃあ、誰が見たって分かるだろうけど。

「・・・食うだろ?」

いつもと変わらない様子で放り投げられたのは、しっとりした食感が売りのバームクーヘンだった。
馬鹿だなぁ、三郎は。
今私が食べたいのは、さっくりしたフィナンシェだよ。

「・・・」
「・・・」

三郎は私の隣に来ると、何も言わず、時折紙パックのジュースを口にした。
私は何もしないことに耐えかねて、バームクーヘンの袋を破いて噛り付いた。

「・・・さぶろぅ」
「あ?」
「・・・しょっぱいよ」
「あぁ」
「ゆる、せない、よ」
「あぁ」

近くに三郎が居るのに、私は泣いた。
わんわんと子供みたいにみっともなく。
それでも三郎は何も言わず、傍に居てくれた。
それがすごく嬉しくて、私はさらに泣いてしまった。

「落ち着いたらちゃんとタカ丸さんとこ行けよ」

少し落ち着きかけた頃、三郎はそう言いながら頭を撫でた。
私は頷くのがやっとだった。
今何かしゃべろうとしたら、きっとまた泣き出してしまう。










2012.4.22  浹
2012.7.29 加筆修正





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