【あの人は(あれでも)僕らの委員長。】
問、貴方が委員長代理をしてるのは何故ですか?
久々知兵助の場合。
答、委員長がとことん興味ないことはやらない主義だから。
「委員長!!」
「・・・んあ?」
随分と間抜けな声を出したこの人は、俺より一つ年上で、学年も一つ上で。
そして、この火薬委員会の委員長を務めているはずの人。
「ちゃんと委員長の仕事、してください!!」
「え〜〜、やだ」
「・・・やだって」
「あ、てか会議終わったんだ。お疲れ〜」
へらりと笑いながらそう言うこの人に、沸々と怒りのような感情が湧き上がってくる。
「えぇ、えぇ、終わりましたよ、委員長会議。本来委員長が出るはずの委員長会議が!!」
「ん〜?なんだかご機嫌斜め?」
「委員長が火薬委員長の仕事をしないからじゃないですか?」
「君がしてくれてるじゃん」
悪怯れる様子もなく、さも当たり前のようにこの人は言う。
「委員長が全然しないから、仕方なくやってるんです」
「だって面倒だし、火薬なんて全然興味ないし」
「それじゃあ後輩に示しがつかないじゃないですか」
「・・・生物委員会だって委員長会議に委員長が出てないじゃない」
「そ、それは」
「確か・・・五年ろ組の子が委員長代理だっけ?」
「えぇ、そうですが」
そう言うと、委員長はへーとかふぅんとか呟きながらこちらをじっと見てきた。
「同じ学年の子に出来ることが優秀ない組の君には出来ないのかなぁ?」
「それとこれとは話がべ」
「それとも君は勉強だけ出来る、ただの頭でっかちさんだったのかな?」
「ち、違いますよ」
「本当かなぁ?」
「出来ますよ、委員長代理の仕事だって。ちゃんとしっかりと」
馬鹿にされたのを否定したくて言えば、委員長が物凄く満足そうな顔をしていた。
「うんうん、ちゃんと知ってるよ。君はよく仕事が出来る子だよ」
「委員長・・・」
「特に苦情みたいのもないし、土井先生も君は良くやっていると褒めてたし」
「ほ、本当ですか!?」
「本当だよ。これからも頑張ってくれるよね?期待してるから」
「はい!!」
じゃあ委員会頑張ってね、と言って委員長は去って行った。
委員長の姿が見えなくなった頃、委員会の仕事を丸々振られたことと、まんまと逃げられてしまったことに気付いた。
このやり取りだって一度や二度ではないのに、どうしても委員長に褒められると嬉しくなって、簡単に乗せられ、逃げられてしまう。
それでもやはり、委員長の「期待してる」が嬉しくて、顔がにやけるのを抑えられなかった。
2012.4.20 浹
2012.7.29 加筆修正
戻る