【反省会】
「・・・なんだか、疲れたな」
「あぁ、正直言うと・・・ちょっと、気疲れみたいなのをした気分だ」
そう言った滝夜叉丸と三木ヱ門は、少しげんなりした表情だった。
「しょうがないよ、僕たち彼女たちとは全くの初対面だったし。唯一両方と面識のある立花君が急用で来れなくなっちゃったのが、ちょっと痛かったね」
あはは、と笑うタカ丸の顔にも若干の疲労が見え隠れしていた。
「そこはトークの腕の見せ所、だったんじゃない?」
ズズッとフラペチーノを啜りながら、いつもと変わらない様子の喜八郎が飄々と言う。
「一人特に場を盛り上げることもせず、食事を黙々と喰っていた奴に言われたくないわ!!」
喚く滝夜叉丸と、それを綺麗にスルーする喜八郎に、タカ丸は苦笑し、三木ヱ門はテーブルを叩くな、と眉を顰めた。
「大体、何故立花先輩は今日来なかったんだ」
「さぁ?僕も急用としか聞いてないし、先輩のプライベートなんて聞きたくないし」
だから聞いてない、喜八郎が言えば、三人は諦めたように溜息を吐いた。
「・・・あ、でも」
「なんだ喜八郎?」
「先輩元から行く気無くて、用事をわざと入れたんだと思うよ?」
ズッと音を立てて、プラスティックのカップから中身が消えた。
「・・・・・・それは・・・」
「い、いや・・・いくらなんでも、それは・・・ない、でしょ」
「・・・でも、あの先輩なら・・・・・・・・・やりかねない」
そんなことは信じたくなかったが、容易に想像が出来てしまって仕方がなかった。
「・・・あ〜〜、でもメアドくらいは聞いとけばよかったね」
空気をなんとか戻そうと、タカ丸が口を開いた。
「そうですか?また会うことなんて絶対ないんだから聞く必要ないじゃないですか」
意味が分からない、といった感じの三木ヱ門にタカ丸はでもさぁと続ける。
「そこからさらに友達を紹介してもらう、とか出来たかもしれないじゃん」
「・・・・・・チャラい」
「・・・タカ丸さん。それはチャラい上に、甘すぎです」
「流石に、その発想は無かったなぁ」
「え〜〜、そう?」
ないない、と否定する滝夜叉丸と三木ヱ門。
でも、と反論するタカ丸。
それを見ながら、ふと喜八郎は思った。
(この三人、相手側が最初から最後まで愛想笑いばっかだった事に全然気付いてないんだろうなぁ)
2012.3.25 浹
2012.7.29 加筆修正
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