「・・・あの、これって?」
先輩から渡された綺麗な柄のビニール袋には、淡い色をした四角いマシュマロみたいなものが入ってた。
・・・コレ何だろう、マシュマロとはちょっと違うみたいだけど。
「・・・ギモーヴ、だ」
「え?」
「苺味にしたんだが、苺は嫌いか?」
「あ、好きです、大好きです。私、イチゴ大好きなんです」
コレがギモーヴなんだ。
名前は知ってたけど、見たことなかったから分からなかった。
「そうか」
お菓子を貰って少し燥ぎ過ぎたのか、先輩が私を見ながら笑っていた。
先輩は笑うと、とても優しい顔をする。
いつもポーカーフェイスで、友だちは笑ってるのか解らないというけれど、私は知っている。
少し解り辛いけれど、先輩は微かに目を細めてとっても優しい表情になるのだ。
「お、・・・おは、よ〜〜」
「・・・」
「お、おはようございます。・・・今日もすごい、ですね、住職先輩」
いつもの電車がホームに入ってきた頃、漸く住職先輩がやってきた。
「頭に葉っぱが付いてますよ?」
「え?・・・あぁ、あの時の」
電車に乗り込みながら、住職先輩は頭の葉っぱを払い落とした。
「そう言えば、その手に持ってるの・・・」
「コレですか?先輩から貰ったんです」
「あぁ、やっぱり。土日に皆で大量に試作品を食べた甲斐があったわけだ」
「・・・」
「試作品?」
あれ?知らなかったの?と住職先輩は意外そうな顔をした。
「これ、手作りなんだよ」
私の持っている袋を指差してそう言った。
「・・・コレ、先輩の手作りなんですか?」
先輩はコクリと頷いた。
「お菓子作るの好きなんだよ。特に洋菓子が」
住職先輩が付け足した。
「あの、先輩」
「・・・」
「コレ、ありがとうございます。私大事に食べますね」
そう笑って言えば、先輩は私に本日二度目の優しい顔を見せてくれた。
落乱転生パロもどき 先輩からお返し
2012.3.14 浹
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